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【感想】『呪術廻戦』第21巻を読んでからずっとモヤモヤするので思ったことを書く【辛口】

藤村さき

2022年12月2日発売の『呪術廻戦』第21巻の感想です。

(当初2時間で3000文字ぐらいの勢いでこの記事を書きましたが、数日たって落ち着いてきたので、ちょっと構成を整えています)

作者さんが読んだらちょっと心が折れる内容になってるかもなので注意です。

21巻、ちょっと、色々ひどくないですか?Amazonで生まれて初めて☆1評価させていただきました。

いうてわたしもそんなに熱烈なファンではないけれども、いちおうアニメも映画も原作も(単行本派だけど)全部みてるわけですよ。

序盤から少し難解な内容だなあとは思っていたし、学園ものかな?と思ったら違ったーって感じで、でもそれなりには楽しんでいたわけですよ。

あ、ここから先はネタバレ含みますので最新巻(21巻)までを読んでない方はご注意ください。

バトル漫画が好きな人向け

レビューを色々読んでみた結果、「死滅回游編」や21巻が「最高」と思っている人は、バトルが好きなんだなと思いました。あとパチンコが好きな人。

わたしはバトル単体はあまり好きではなく、戦闘シーンでのキャラの心情や全体のストーリーに興味があります。

ストーリーや心情よりも、持っている能力を組み合わせてどう戦うか、ということに興味がある人には、とても面白い漫画なのかもしれません。

「死滅回游編」は紙面上でのカードゲーム

「渋谷事変」まではまあ普通に楽しく読んでましたよ。

そっからですよ。

「事変」

それまで登場していたキャラはどんどん死んでしまったりキャラ変してしまったり、「渋谷事変」以降は本当に「事変」が起きてしまいました。

まあそこまでは、まだ良いとしましょう。

「カードゲーム」してるのを眺めてる感じ

死滅回游編」が始まってからは、もう漫画っていうより、紙面上で展開されるカードバトルのゲームという印象で、あまり面白くないなあと思ってたんです。

ルールも難解だし、正直覚えてられないですよね。

途中で復習もしてくれないし。むしろ追加ルールその他でさらに複雑になっていく。

キャラもよく分からないのが設定てんこもりで出てきて、それぞれの使う技にまで設定があって。

雰囲気で流し読みしてる人、多いんじゃないですか?

ストーリーのない「死滅回游編」

戦闘シーンと技の設定に関する説明ばかりで、ストーリーが見当たりません。

ただし第20巻の乙骨くんの戦闘に関しては、ストーリーもあって普通に面白かったです。

全体をとおしたストーリーのなかでの、この「死滅回游編」の位置づけもよくわかりません。コロニーをどうするんだっけ?そしたらどうなるんだっけ?という感じです。

ときどきでもいいから、全体的なことも書いて欲しいです。あとキャラの名前も。

秤とか21巻で唐突に再登場したとき、殺され役のモブかと思ってました。

いちばん許せなかったところ

実は第21巻でいちばん許せなかったところがあるんです。

それは作者の「ここから先、秤の術式はなんとなくで読み飛ばして大丈夫です」という部分ですよ。しかも二回も書いてるし。

読んだけどたしかに分からなかった。というか上の文といっしょに書かれてる「領域内の体験型のゲーム」というところからすでに分からない。

いや、領域内に体験型のゲームがあるんだろうなということは分かるんですが、誰かに聞かれてもそれ以上の説明ができない。

TwitterやAmazonの感想をみたら「最高!」みたいに書いてる人がたくさんいる一方で、「わからないわたしは落ちこぼれ?」みたいに書いてる人もたくさんいました。

安心してください、上位数%の信者的読者以外、初見でわかる人は少ないと思います。

というか、作者が「読み飛ばして大丈夫です」とかいうのどうなん?こんなたくさんの人が読んでる(いちおう)人気作品で。

もともと読みながらイライラ感とストレスを感じていたんですが、ここでそれらがまずピークに達しました。

一ページ一ページ、一コマ一コマ、文字一個にも、読者はお金を払ってくれているのだから、そこはプロとして意識すべきじゃないですか?

ラスト数ページで完全に冷めた

そしてラストですよ。

まあここはわたしの個人的な好みなんで「読み飛ばしてもらっていい」んですけどぉ、賀茂さんのキャラ設定とビジュアルがわりと好きだったんですけど、そこにも「事変」が起こっていました。

真希さんとかもうどうなってるの?

このラスト数ページでもう、ちょっと完全に、もう、ないかなあと思ってしまいました。

次巻ぐらいはいちおう読むかもしれませんが、期待はまったくせずに読むと思います。そんな人多そう。惰性で読んでる人。作者さん的にはそれでもいいんですかね?

よく分からないことだらけ

あ、そういえばパンダはどういうことよ?「魂の情報が観測しあう」って何?てかまじ185話は何の話?どうしてゴリラ視点なの?

点数のやりとりもよくわかんないし、反転術式で?あとから腕直せるの?とか追加予定のルールとか。あれ?冥さんの弟って出てきてたっけ???などなど。

もろもろまじ覚えてる人いるの?あたいはもうわかんないことだらけさ。

理解したいと思うほどの熱量も生まれなかった

ちなみに全部読み直して理解したいと思うほどの熱量も生まれませんでした

「分からなかったら解説動画を見れば」というレビューもありましたが、そこまでする気にもならなかったです。

「もっと知りたい」「もっと作品世界にひたりたい」から「解説動画を見る」のは分かるんですが、「全く分からないから解説動画で漫画の内容を勉強する」って、なんかおかしくないですか?それもう漫画ですかね?

2巻続けて主役が登場しないとか、強すぎて邪魔なキャラが封印されたりとかは斬新といえば斬新ですが、人気キャラもことごとくいなくなったり?キャラ変してしまって、序盤でついたファンはついてきているんでしょうか?

と、余計な心配をしてしまいます。

乙骨くんのシーンだけはまだ分かりやすい

唯一、乙骨くんだけがまだ希望というか?って感じです。乙骨くんは序盤は海外に飛ばされてて出てきてなかったキャラですが。

第20巻の乙骨くんの戦闘シーン周辺だけはなんか普通に読めました(点数についてだけはよく分かりませんが)。文字は多かったけど。

連載版を読んでいないので、2022年12月現在どうなっているのかはしりません。

「漫画とは何か?」を問いたい?

21巻の最初のお話(第181話)は新人漫画家さんのお話です。

作者さんの心にあるのはこの「漫画とは何か?」なのかなあと思いました。

描きたいものを描きたいと作者さんは考えているのか、それともいろいろ試してみたいのか、ストーリーに悩んでいるのか、わたしには分かりません。

でも、作者さんの向かう方向性と、わたしの求める方向性は違うのかもしれない

考えるきっかけを与えてくれた一冊には間違いないので、☆2ぐらいにしたら良かったかも。

でもね、第21巻を読んで、ここまで書いてきたような印象・感想を持って、あらためて第181話からの新人漫画家さんのお話やセリフを読むと、どんびきしました。

「わたしは何を読まされてるんだろう?」という感じです。

まあ、好みが分かれる作品・方向性にどんどんなっていますね。

っていう感想です。

おわり。

ああ、いちおう読みたい方のために単行本の広告だけ貼っておきますわね。

この記事を読んでいる方はほぼもう読んだあとだとは思いますが、ちょっとだけ試し読みもできるはずです。

追記:2022年12月17日(土)ジャンプフェスタ2023にて

2022年12月17日(土)のジャンプフェスタ2023『呪術廻戦』ステージで、芥見先生の質問回答コーナーがありました(ご本人は登場されていません)。

それによると、181話でフランス系漫画家さんを登場させた理由は「漫画好きの外国人を出したかったから」となっていました。あと集英社内のことも書きたかったとか。

てっきり「自分の体験から」が理由だと思っていたので意外でした。

作者さん的にはネームが進まず、この回は不完全燃焼を感じているということです。

たしかに、「漫画好きの外国人」という設定なのに「外国人と日本人の違いって何?」みたいになってましたし、内容も「漫画とは何か?」みたいになってました。

連載って難しいですね。

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