二十四節気(にじゅうしせっき)を解説!七十二候も
二十四節気(にじゅうしせっき)は、1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けることで、1年を24に分けたものです。
その24をそれぞれ初候・二候・三候の3つに分けることで、1年を七十二候に分けることができます。
二十四節気は古代中国北方で成立した概念なので、現代日本の感覚とは少しあっていない部分があるものの、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。
二十四節気
天保暦以降、二十四節気(にじゅうしせっき)は、1年の太陽の黄道上の動きを、視黄経の15度ごとに24等分にすることで設定されています(定気法)。太陽の動きは楕円形なので、この方法では各節気の日数は同じにならず、節気ごとに長短が出てきます。
春:立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨
夏:立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑
秋:立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降
冬:立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒
日付は少しずつずれるため調整が必要
1年は365日ですが、太陽が地球の周りを一周するには365.2422かかるため、少しずつ日付と太陽の位置がずれ、実際の季節もずれてきます。
ずれは太陽暦(新暦)ではわずかなため、閏年(うるうどし)で調整しています。太陰太陽暦(旧暦)では差が大きくなってくるため、閏月(うるうづき)を入れることで調整していました。
節(節気)と中(中気)
二十四節気は、奇数番目と偶数番目の2つのグループに分けることができます。
立春・立夏・立秋・立冬を含む奇数番目のグループは節あるいは節気といい、冬至・夏至・春分・秋分を含む偶数番目のグループは中あるいは中気といいます。
四立
立春・立夏・立秋・立冬をまとめて四立といい、これらはそれぞれの季節の始まりを表わします。
二至二分
春分・夏至・秋分・冬至をまとめて二至二分といいます。立夏は春分と夏至の中間、立秋は夏至と秋分の中間、立冬は秋分と冬至の中間、立春は冬至と春分の中間、にあたります。
七十二候
各節気を約5日ごとに初候・二候・三候の3つに分けることで、1年を72に分けたものを七十二候と呼び、それぞれに名称が付けられています。
立春:東風解凍(とうふうこおりをとく)、黄鶯見睆(こうおうけんかんす)、魚氷上
(うおこおりにのぼる)
雨水:土脈潤起(つちのしょううるおいおこる)、霞始靆(かすみはじめてたなびく)、草木萌動(そうもくきざしうごく)
啓蟄:蟄虫啓戸(ちっちゅうこをひらく)、桃始笑(ももはじめてわらう)、菜虫化蝶(なむしちょうとなる)
春分:雀始巣(すずめはじめてすくう)、桜始開(さくらはじめてひらく)、雷乃発声(らいすなわちこえをはっす)
清明:玄鳥至(げんちょういたる)、鴻雁北(こうがんきたす)、虹始見(にじはじめてあらわる)
穀雨:葭始生(よしはじめてしょうず)、霜止出苗(しもやんでなえいず)、牡丹華(ぼたんはなさく)
立夏:蛙始鳴(かえるはじめてなく)、蚯蚓出(きゅういんいずる)、竹笋生(ちくかんしょうず)
小満:蚕起食桑(かいこおこってくわをくらう)、紅花栄(こうさかう)、麦秋生(ばくしゅういたる)
芒種:蟷螂生(とうろうしょうず)、腐草為螢(ふそうほたるとなる)、梅子黄(うめのみきなり)
夏至:乃東枯(ないとうかるる)、菖蒲華(あやめはなさく)、半夏生(はんげしょうず)
小暑:温風至(おんぷういたる)、蓮始華(はすはじめてはなさく)、鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)
大暑:桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)、土潤溽暑(つちうるおいてむしあつし)、大雨時行(たいうときどきおこなう)
立秋:涼風至(りょうふういたる)、寒蝉鳴(かんせんなく)、蒙霧升降(ふかききりまとう)
処暑:綿柎開(めんぷひらく)、天地始粛(てんちはじめてしゅくす)、禾乃登(こくものすなわちのぼる)
白露:草露白(そうろしろし)、鶺鴒鳴(せきれいなく)、玄鳥去(げんちょうさる)
秋分:雷乃収声(らいすなわちこえをおさむ)、蟄虫坏戸(ちゅっちゅうこをはいす)、水始涸(みずはじめてかる)
寒露:鴻雁来(こうがんきたる)、菊花開(きくはなひらく)、蟋蟀在戸(しっそくこにあり)
霜降:霜始降(しもはじめてふる)、霎時施(しぐれときどきほどこす)、楓蔦黄(ふうかつきなり)
立冬:山茶始開(つばきはじめてひらく)、地始凍(ちはじめてこおる)、金盞香(きんせんかさく)
小雪:虹蔵不見(にじかくれてみえず)、朔風払葉(さくふうはをはらふ)、橘始黄(たちばなはじめてきなり)
大雪:閉塞成冬(へいそくしてふゆとなる)、熊蟄穴(くまあなにちっす)、厥魚群(けつぎょむらがる)
冬至:乃東生(ないとうしょうず)、麋角解(びかくげす)、雪下出麦(せつかむぎをいだす)
小寒:芹乃栄(せりすなわちさかう)、水泉動(すいせんうごく)、雉始雊(きじはじめてなく)
大寒:款冬華(かんとうはなさく)、水沢腹堅(さわみずこおりつめる)、鶏始乳(にわとりはじめてにゅうす)
雑節
また、二十四節気と同じく季節の移り変わりの目安となるものとして、雑節(ざっせつ)があります。
雑節:社日・節分・彼岸・土用・八十八夜・入梅・半夏生・二百十日・二百二十日