【世界史】『エリュトゥラー海案内記』から1世紀中ごろを学ぼう
藤咲
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『エリュトゥラー海案内記』からは、1世紀中ごろやその前後の、ローマ帝国周辺の歴史の流れを垣間見ることが出来ます。
Contents
『エリュトゥラー海案内記』とは
「エリュトゥラー」の意味はギリシャ語で「赤」。
『エリュトゥラー海案内記』は、紅海・アラビア海・インド洋の周辺地域を広く扱った航海案内書です。
1世紀中ごろにギリシア系商人によって書かれたとされ、当時の南海貿易の事情、各地の交易品や特産品についても記述された、資料的価値の高い書物です。
1世紀中ごろの情勢
1世紀頃から、季節風を利用した季節風貿易がインド洋で盛んになります。
ギリシア系商人が、ローマとインド洋とを結ぶ交易で活躍しています。
『エリュトゥラー海案内記』の作者もギリシア系と言われ、ローマ領エジプト州の出身ではないかとされています。
1世紀なかばの頃は、まだエジプトもローマの属州で、ローマ帝国は五賢帝の「パクス・ロマーナ」時代、インドはサータヴァーハナ朝(アーンドラ朝)です。
エジプトは4世紀頃にローマの東西分裂で東ローマ帝国に入り、7世紀初めにササン朝ペルシアにより占領され、7世紀中ごろにイスラム帝国の支配下となります。