「ボロネーゼ」と「ミートソース」の違いはなに?
スパゲティを食べ続けて20年以上。
今更ながら、「ボロネーゼ」と「ミートソース」の違いが分からないことに気が付きました。
どちらも「ひき肉」「トマトケチャップ的なもの」を使っていると思うのですが、どう違うのでしょうか?
「ボロネーゼ」と「ミートソース」はつくり方が違う
「ボロネーゼ」はイタリア・ボローニャ地方発祥の料理。
牛ひき肉やパンチェッタを、刻んで炒めた野菜といっしょに赤ワインなどで煮込んだ料理です。本場では「タリアテッレ」という幅広のパスタにかけていただきます。
「ミートソース」はアメリカから伝わったとされる料理。
ひき肉や野菜を炒め、ケチャップなどで煮込みます。
「ミートソース」は「ボロネーゼ」よりも甘みが強い仕上がりになります。
どちらかというと「ボロネーゼ」の方がしっかりと煮込んであり、肉の割合も高い傾向です。
「ボロネーゼ」
「ボロネーゼ」はイタリア北部のボローニャ地方発祥のパスタ料理です。
ひき肉やトマト、野菜、ワインなどを煮込んだ「ラグー(煮込み)」を茹でたパスタにかけていただきます♪
本場ボローニャでは「ボロネーゼ」とは呼ばず、「タリアテッレ・アル・ラグ」と呼ばれます。またイタリア内では「ラグ・アッラ・ボロニェーゼ(ボロネーゼ風煮込み)」と一般的に呼ばれます。
ボローニャでは、平たい麺(タリアテッレ)で食べるのが伝統で、麺の作り方も南部イタリアとは違い、卵が入っています。
「タリアテッレ」は「フェットチーネ」と似た平たい麺ですが、もう少し薄くて細い麺です。
「正式なレシピ」がある?
1982年10月17日に、「イタリア料理アカデミー・ボローニャ支部」から正式なレシピが発表されています(配合は不明です)。
使用する材料は
- 牛ひき肉
- パンチェッタ(塩漬け豚バラ肉)
- 細かく刻んだ玉ねぎとにんじん、セロリ
まずこれらをオリーブオイルで香ばしく炒めます。このときひき肉はひき肉だけで、塊のまましっかり焼くと美味しいそうです。
それから、
- トマトペースト
- 肉のブイヨン
- 赤ワイン
を加えてじっくり煮込みます。お好みで牛乳or生クリームを加えても良いとのこと。
トマトの水気がなくなるぐらいまで、お好みで数十分から数時間煮込むようです。
そして、使うパスタは「タリアテッレ」という卵を使った幅広のパスタです。
こう見ると、意外に簡単にできそうな気もしますね。材料費はちょっとかかりそうですが……。
ボローニャでは家庭によってレシピも違い、赤ワインではなく白ワインを使う場合もあるようです。
「ミートソース」
明治・大正期にも「スパゲティミートソース」は日本に入ってきていました。
現在の味付けに近い「ミートソース」は、戦後にアメリカから日本へと入ってきたと言われています。
ひき肉や野菜を炒め、ケチャップやウスターソースなどで煮込みます。ボロネーゼより甘みが強くなっています。
つくりやすいためか、昭和の喫茶店などでよく提供され、キユーピー「缶入りミートソース」のヒットを経て、すっかり家庭に定着しました。
赤ワインなどがなくても美味しいので、家庭でもつくりやすいですね。
まとめ
「ボロネーゼ」はイタリア・ボローニャ地方発祥で、牛ひき肉やパンチェッタを、刻んで炒めた野菜といっしょに赤ワインなどで煮込んだもの。本場では「タリアテッレ」という幅広のパスタにかけていただく。
「ミートソース」はアメリカから伝わったとされる料理で、ひき肉や野菜を炒め、ケチャップなどで煮込んだ料理。「ボロネーゼ」よりも甘みが強い仕上がり。
なるほど、どちらも美味しそうです。
似たようなものだと思っていたのですが、調べてみたあとは「ボロネーゼ」と「ミートソース」は全然違うものに思えてきたから不思議です。
でも言えることはひとつ、「ボロネーゼ」も「ミートソース」もどちらも美味しい!!