漫画・アニメ・映画

「鬼滅の刃」に遅ればせながらはまった

藤村さき
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2020年12月に初めて原作を読みました。

ひたすら哀しく残酷な世界を描いた物語でした。その中で生きたたくさんの登場人物たちの人生や生き様を思うと、涙が止まりません。

なんだかんだで別サイトまでたちあげてしまいましたよ。

https://hogarahogara-flouria.com(「ほがらほがら‐『鬼滅の刃』の考察・研究サイトです)。

以下、最終巻までのネタバレ含みますので、未読の方は注意です!!

原作・アニメ・映画での違い

アニメ第1期26話と映画「無限列車編」も観ましたが、どちらも基本のストーリーはほぼ原作そのままです。

アニメ版のみの追加シーンあり

追加シーンや追加のセリフは各所にあり、一部に重要な追加点・変更点もありました。

それでも原作とは矛盾しない範囲に収まっているので、相当読み込んでつくったんだろうなというのが分かり、素晴らしい出来上がりでした。

アニメの方が流れが自然で分かりやすいです。

アニメ第1話の冒頭、炭治郎の最初のセリフに関しては、声がとても優しくて、これからこの少年がたどる運命を思うと泣いてしまいます。

ストーリー展開は難あり、だがなぜか引き込まれる世界観

必要なエピソードだけを凝縮して詰め込んだ構成

原作を最終巻までとおしてみた場合、全体のバランスは悪いです。

第6巻(第44話~第52話)のアニメ第一期にあたる部分までは、「えっ?」とも思いながらとても面白く読み進めることが出来たのですが、そこからさらに展開のスピードが増し、第15巻~第23巻までが最後の戦いでとても長いので、全体のバランスが悪いように思います。

物語の時系列ははっきり描かれてはいないものの、普通に読んでいくと、主人公の炭治郎が修行するのが約2年、「鬼殺隊」に入隊してから約1年ほどの時間軸で描かれていると思います。

しかも修行期間の描写は原作ではほぼダイジェストな感じですし、トータル半年分くらいは主人公は療養中だったり意識がなかったりします。

主要キャラ同士でも、この二人は面識ないだろうなーみたいな感じで、それほど大きな組織でもなさそうなのに、キャラ同士のエピソードは薄いです。

ラストまでに必要なエピソードだけを凝縮してつめこんで、一気にラストまで駆け抜けた、っていう感じがします。

「るろうに剣心」との比較

 作者の吾峠先生も「るろうに剣心」はきっとお好きだと思います。「るろうに剣心」を意識した、もしくはリスペクトしたのかな?という印象も各所で見受けられました。

 全体の構成では、「るろうに剣心」の方が完成度は高いです。キャラの作りこみや設定自体は「鬼滅の刃」の方が深いです。

 どちらも素晴らしい作品ですが、違う点があるとすればキャラの登場頻度です。

 「るろうに剣心」はメインのキャラたちが全巻通じて頻繁に登場して会話をしています。一方「鬼滅の刃」は全巻通じて登場しているのは主人公の炭治郎だけで、キャラ同士の交流はほぼありません。

 いいキャラがたくさんいるのに、ちょっと勿体無い感じがしますよね。

 でもどちらの作品にも共通していることは、「敵役の魅力」「内容の分かりやすさ」「設定された背景の深さ」で、読みおわったあともいろいろ考えることが出来る作品である、ことです。明治維新後の剣心の内面だけはいまだによく分かりませんが。

関連記事→【感想】るろうに剣心 The Beginning【映画】

時代背景と世界観が絶妙にマッチしている

 「今日生きている人が、明日生きているとは限らない」という刹那的な雰囲気で最後まで駆け抜けていきます。展開ははやいんですが、登場するキャラクターが増えるとともに、世界観に引き込まれていくのも事実です。

 時代背景が「大正時代」という、新旧入り混じった浪漫のある時代が選ばれていることも魅力的です。

設定やストーリーが漫画で表現されていない

 設定は素晴らしいんですが、漫画での表現が追いついていないような気がするのも事実です。設定や心情を文章で説明してる箇所が多いんです。

 登場人物に関しても、本編上ではなく「設定」としてあちこちでばらばらに語られているのも勿体無いように思います。

 「本編上に載せられなかった」として作者が設定や経緯を文章で説明したページも単行本でよく見かけますが、ストーリーに関係する内容は本編に載せたほうがいいと思います。

 全23巻ですが、第15巻以降はほぼ最後の戦いですし、もっとじっくりと登場人物のストーリーを盛り込みつつ、全30巻ぐらいにして欲しかったです。

 特に無惨戦はいろいろ急ぎすぎ&詰め込みすぎて酷かったですし、もっと主人公たちの成長した姿を見てみたかったです。

登場人物のつくりこみは神レベル

 登場する各キャラクターは、敵味方問わず深いストーリー性を持っていて、まるで全員が主人公の群像劇です。

 読むたびに、あちこちでキャラクターに感情移入して涙が出てしまいます。外伝などもすでにありますが、各登場人物を主人公にした作品がしっかり成立しちゃうレベルです。

 ちなみにおすすめは公式スピンオフ小説「鬼滅の刃 風の道しるべ」です。不死川さんのお話が第1話に載ってます。

 不死川さん、かっこいいですよね。初出シーンで目が血走っているのはきっと寝不足に違いないと思っています。特に最終第23巻の最後の方の不死川さんの登場シーンは最高です!最後の戦いあたりから、相当ファンが増えたんじゃないでしょうか?

「本音」を語るシーンは見事のひとことで、涙が止まらなくなる

 途中色んな箇所に、登場人物が自分の考えや隠していた感情を語るシーンがあります。そうした「本音」が語られる場面で読者の心を揺さぶれる強さが、この作品が人気となった一番の理由だと考えます。

 原作を読み込めば読み込むほど、それぞれの登場人物の背景や人生を想像して感情移入してしまって、各巻・各シーンで涙が止まりません。

 2020年に『鬼滅の刃』を読んで「面白い」と言っている子供たちも、20年後にまた読むと、違った感覚で「面白い」とまた言える、そんな作品だと思います。漫画ですが、昇華させたら文学作品にもなりそうです。

「読みすぎ注意報」を出していいレベル

 感受性が強い方は読みすぎると精神を蝕む可能性もあるので、作品と距離を置く時間も考えないといけません。

 ただ、全体的なストーリーは書き直し&リメイク希望です。もっと拡げて欲しい&じっくりやって欲しいエピソードが満載ですよ。「無限列車」での魘夢の夢オチとかないでしょうか(笑

まとめ

 ひとことでいうと、全体のストーリーは難ありだけど、部分部分だけをみるとめちゃくちゃ面白い!原作を読んでアニメも見ると、なお良きです!

 「無限列車編」が単独で映画になって大人気ですけど、すごい分かります!アニメ化のレベル高すぎでしょ。

 登場人物のつくりこみも神レベルで、読み込むほどに感情移入して涙が止まらなくなる!まじ止まらなくなる!!

 個人的には、原作は小説版としてでもいいからフルリライトして欲しい。せつないというか、物足りないんですよね、何か。

 でも鬼を全滅させるのに時間がかかったら、苦しむ人が増えるからやっぱりダメかもと考えてしまいます。やっぱりこれがベストなのかな?なんかもう全力でとっとと完結に向かわせてる感もしました。

っていう感じです(笑

「鬼滅の刃」に関するサイトを手持ちのドメインでつくっちゃったので、よかったらこちら(2021/2/12付でURL変更しました)も見て行ってください!

おわり♪

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