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「プレバト!!」の福田麻貴さんの俳句で不覚にも涙を流した

藤村さき
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 2022年1月6日放送の「プレバト!!」の「俳句の才能査定ランキング」コーナーで、お笑いトリオ「3時のヒロイン」の福田麻貴さんが詠んだ俳句に不覚にも涙を流してしまいました。

 どんな句だったかというと……

冬天よ 母を泣かせて 来る街か

なんですよね。ちょっと語ってみたいと思います。

内容解釈

 冬天というのは「冬の空」のことです。

 この句を読んで浮かぶ景色は、冬の夜空と都会の街並み、天を見上げながらひとりたたずむ主人公。もしかして雪も少し降っているかもしれない。寒い。

 きっとこの「街」に来るにあたって、故郷に「母」を置いてきているんですね。故郷に残った母親はきっとひとりで今も家にいるんですよ。その故郷ももしかしたら雪が降っているのかもしれない。

 主人公はどうしてこの「街」に来たのか。きっと自分の「夢」を追いかけるためでしょう。

 でもそれがなかなか上手くいかない。母を家においてまで故郷から出てきたのに、上手くいかないんですよ。

 そして思うんです。きっと故郷で母親はひとり寂しい思いをしているだろう。母親の姿や笑顔、故郷を発つときの光景を思い出すわけです。

 追いかけてやってきた「夢」は上手くいかない。自分は本当に母親を残してまでここにやって来てきて良かったのか?と思い悩んでいるんです。

 自然に涙が浮かんできます。

 たった17文字でこれだけの想像を膨らませることが出来る俳句というのはすごいですよね。

「冬天よ」と呼びかけているのがまた良い

 最初に「冬天よ」と呼びかけています。

 ここは思わず「冬天や」としてしまいそうになるんですが、「よ」と呼びかけることで、主人公の感情のほとばしりや孤独感・無力感をより感じられるように思います。

 思わず冬の空に向かって語りかけるこの感じ、ぐっと来ますよね。

 そして最後の「か」で自問自答することで、余韻が残り涙を誘います。素晴らしい。

時代や場所を選ばない句

 この句の内容は、時代や場所を超えて通用する感情が含まれていると思います。査定をする夏井先生も絶賛されていたようですが、わたしも良い句だと思います。

 福田麻貴さん、ありがとうございます。

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